ダイバーシティ関連の記事について、ニュースクリッピング形式で取り上げています。
今回のテーマは、
一般職社員のさらなる戦力化に向けた取り組み事例のご紹介です。
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■「全員総合職」という革命 損保ジャパン日本興亜
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO82245480S5A120C1TY5000/
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<概要>
総合職と一般職のコース別人事制度を運用してきたが、近年、結婚や出産による
退社が減り、働き続ける一般職が増えた。経験豊富な社員にいつまでも定型的な
業務を任せている訳にはいかない、と一般職女性の戦力化が課題となっていた。
そこで、2010年に総合職と一般職を区別するコース別人事制度を廃止。
廃止直後は将来設計に不安や不満が多く出たが、押し切って導入に踏み切った。
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ビジネスの複雑化と社会の多様化に伴い、コース別人事を採用している
企業の多くで一般職と総合職の業務の境目が曖昧になり、区分して機能させる
ことが難しくなってきている、という話はよく聞かれます。
では、コースを廃止すれば解決するのか、というとそんな訳はなく
・事務職だから入社したのに話が違う
・そもそも、総合職の仕事はやりたくない
・採用要件や昇格条件が違う中でどう整合性を保たせるのか
・そうは言っても絶対なくならない定型業務は誰がやるのか
・全員総合職にすると人件費はどうなるのか。
など、個人の嗜好から会社の懐事情まで課題は山積で、
手を付けたとしても誰もが納得できる制度を作ることは100%不可能と言えます。
そんな中、全員一律総合職にシフトした損保ジャパンの取り組みは
強い経営層のコミットメントがあったんだろうと推察します。
(記事には書かれていませんが)
一方で、私自身が一般職女性の方から話を伺う機会を得て感じているのは、
経験値や能力が高く、今の業務より難しいことも挑戦できるだろうな
と思う人はたくさんいらっしゃるという事。
この能力を発揮させず、ほどほどのサポートにとどめる事のもったいない感
と、その方々が十分に尊重されていない事への口惜しさ(他人のことなのです
が…)もあり、なんとかこのギャップが大きい人だけだけでも埋まらない
ものかと日々考えております。(ほんとに頼まれてもいないのに。。苦笑)
・・・して、損保ジャパンさん
制度が変わって5年たった現在、順調な成果も出始めているとの事。
「(旧一般職女性に多く見られる傾向として)もっと難しい仕事をする能力
があるのに変化を嫌って挑戦しない傾向も見て取れる。そういう人には、
多少荒療治でも背中を押すことが大切。挑戦してうまくいけばそれが自信に
なり、やりがいに変わる」
という言葉に、なんだか妙に嬉しく思ってしまいました。
誰だって未知の世界は怖いし、現状でも生きていけるから
敢えて自分から殻を破る事はしない。でも、
背中を押されたらやってみたいと考える人は少なくないはず。
(もちろん、もちろん、評価や処遇が伴ってという前提でかつ、
嗜好は人によって違うので、会社側も見極めが難しいと思いますが。)
という訳で、遠慮と配慮の塊のような女性たちには、多少の強制力があったほう
が進めやすいかもしれませんね。
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女性活躍推進、ダイバーシティ、損保ジャパン
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