ダイバーシティ関連の記事について、ニュースクリッピング形式で取り上げています。
2016年がスタートしましたね。
みなさまにとって今年はどんな年になりそうでしょうか。
ダイバーシティ観点で2015年を振り返ると、
企業のダイバーシティ議論はずいぶん落ち着いてきたなという印象です。
2016年は、人材難もあり、これまで以上に職場の人材多様化が進み
働き方に工夫を見出す企業も多く出てきて、
多様な状態が「当たり前」になっていくのだと思います。
ダイバーシティの取り組みは
企業にとっての「経済界入場券」のようなものになり、
制度が整っているには、もはや当たり前となりつつあります。
(特に上場企業とそのグループ会社への社会的要請はほぼ法規制レベルです)
一方で、企業は
「業績を上げることや、成長することで社会に利すること」
がそもそもの存在意義でもあります。
ダイバーシティは入場券といいましたが、
それだけだと単なる倫理的、マイノリティ保護観点の施策でしかなく
かえってコストだけがかかり
企業の成長にどれだけ貢献できるか微妙です。
やっぱりそこは、企業の成長や利益につながらないと
意味は薄れるな、と思うのです。
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・・・話は少し逸れますが、
私の前職はアメリカに本社がある多国籍企業でした。
製品の開発はアメリカ、イギリス、インド、中国など
多国籍拠点で行なわれていたので
社員としては多国籍な方たちとのコミュニケーションは避けて通れません。
ところが、私はめっぽうそれが下手でした。
というのは、英語力の無さもさることながら、
日本人なら当然と思っている前提が異なるので、
その説明から入る必要があり、私にとっては、ものすごくハードルが高い事でした。
でもその分、
自分たちにはなかった”モノの捉え方”を知ることができる場でもあり、
「なぜそうなっているのか、なぜそれが大事か。本質は何か」
を強制的に考えさせられた機会だったと思います。
多様な国家・考え・文化的背景を持つ人達と共に働く事で
「本質を見極めるきっかけ」を常時提供されていた、と後から気づきました。
それが直接的に利益に結びついたかと言えばNOで、
短期的には時間ばかりかかり、結果は見えずマイナスだったかもしれません。
が実際、非常に業績、ROEの高い会社ではありました。
今思い返してもできなかった事ばかりで、
ほんとに歯がゆく恥ずかしい記憶ばかりですが
長い目で見ると人材育成の場にもなっており、
ダイバーシティな状態が企業の価値向上の一翼を担っていたといっても
過言ではありません。
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話は戻りまして、ダイバーシティマネジメントは
企業の成長のための方策であるべきだという話。
組織がダイバーシティな状態にあるだけだと、
混乱、対立のままかもしれません。
成長とはおよそ遠い状態だと思います。
そこから成長につなげるためには、とてもベーシックなことなのですが
対立が生じたら会話することだと思います。
イラッとしたり、否定したくなる気持ちは生じるかと思いますが、
いったん冷静に。相手にも一理あるはず。
(これは異言語圏コミュニケーションの方が考えながら対応するので、
かえって有利かもしれませんね)
同質性の高いメンバー内で、阿吽の呼吸だけでやるのは
とても心地が良いのですが
『今の私にとって、その考え方は違和感があるけれど
本質的には正しいのかもしれない。この方法で考えてみようか。』
と思える事は、
長い目で見て結果的には顧客に提供できる価値が高まると思うのです。
そして、社員一人一人の思考プロセスやマネジメントの仕方にも
じわじわとインパクトをもたらすものだと考えます。
そして、その価値とコストを天秤にかけた時に
現時点で自社にとってそれほど期待できない、魅力でないとしたら、
それは一つの考え方です。
社会一般程度に制度を整える程度でも私は良いと思っています。
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年始なのですこし大局的なテーマを取り上げさせていただきました。
今年も皆様にとって充実した素敵な1年になりますように。
どうぞよろしくお願いいたします。
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